研究課題/領域番号 |
17K02708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 知己 北海道大学, 文学研究院, 教授 (40231344)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | アイヌ語 / 古文書 / 歴史言語学 / 言語変化 / 方言 / 言語地理学 / 文献学 / 蝦夷記 / 語彙の位相 / ジャラケ / 光丘文庫 / 蝦夷詞巻 / 変体仮名 / 言語史 / アイヌ語古文献 / 松前嶋郷帳 / 音韻規則 / 転成 / 所有構造 / 位置名詞 / アイヌ語史 / 蝦夷寿那子 / 蝦夷談筆記 / 蝦夷言留 / 日本海沿岸地方アイヌ語方言 / アイヌ語小樽方言 / 表記 / 千島方言 / 古文献 / 音韻史 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は大きく分けて三つである。第一にアイヌ語の最も古い時代の文献の用字法の特徴を明らかにしたことである。これによりアイヌ語古文献の年代決定に手がかりが得られた。二つ目は早くに失われた日本海沿岸地方のアイヌ語方言の古文書を研究したことである。その結果、日本海沿岸地方のアイヌ語方言は、美幌などの北海道東部方言と共通の特徴を持つ可能性が高いことが明らかとなった。このことは北海道東部方言が古い特徴を保っている可能性があることを示唆するものであり言語地理学的に興味深い結果と言える。第三は貴重なアイヌ語古文献4種の翻刻、各種索引、分析を含む報告書を四冊刊行し今後の研究の土台を与えたことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アイヌ語は文字で表記する習慣がなかった言語であるため、古い時代の正確な記録がない。そのため、ほとんど未解明であったアイヌ語の歴史的変遷を、これまで研究に利用されていなかった日本各地に散在する断片的な古文書資料を収集、分析することによって明らかにした。これにより、日本語や近隣諸言語との歴史的関係を正しく推測する足がかりが得られた。また、このことは、直接的な文献資料がほとんどないため、不明な点が多かった日本列島北部における過去の言語状況を実証的に明らかにすることに役立ち、日本列島に展開した言語、文化の多様性が浮き彫りにされ、日本とは何かをより深く知ることができる。
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