研究課題/領域番号 |
17K02723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
田村 建一 愛知教育大学, 教育学部, 特別教授 (90179896)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | する型・なる型 / 表現類型 / ルクセンブルク語 / 知覚構文 / 無生物主語他動構文 / する型 / なる型 / 表現の対照 / 無生物主語他動表現 / 非生物主語他動表現 / 対照言語学 |
研究成果の概要 |
本研究では、西欧諸語における知覚構文や無生物主語他動構文(いわゆる「する」型表現)の使用頻度の違いを、児童文学作品とその翻訳を通して明らかにするとともに、そうした構文の使用あるいは回避に通言語的な共通性が見られるのかどうかを探った。分析した言語は、ルクセンブルク語、ドイツ語、英語、フランス語、ポルトガル語、ロシア語、オランダ語、スウェーデン語であるが、これらの言語のうちルクセンブルク語とロシア語には、「する」型表現を回避する傾向があることがわかった。また、全体としてモノ・コトが人に対してネガティブな作用を及ぼす内容の文では、無生物主語他動構文が回避される傾向が強いこともわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日英対照言語学で提唱されている表現類型としての「する」型・「なる」型の概念をヨーロッパ諸語間の対照研究に応用し、一般に「する」型表現を多用するとされる西欧諸語の間でもその傾向の強さに言語による相違が見られること、特にルクセンブルク語には「する」型表現を回避する傾向があることを明らかにした。同じ文学作品の多数の言語への翻訳版、および同一言語でも複数の翻訳版を比較することによって初めて見えてくる各言語の特徴を捉えた点に学術的な意義があると考える。また、本研究は「なる」型言語である日本語からの視点に立脚しており、日本発の研究を海外に発信した点に社会的意義があると考える。
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