研究課題/領域番号 |
17K02757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
奥村 佳代子 関西大学, 外国語学部, 教授 (10368194)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 档案資料の言葉 / 供述書の言葉 / 言文一致 / 口語体 / キリスト教案 / 白話 / 文言 / 清代供述文書語彙 / 清代供述文書の口語体の特徴 / 資料調査 / 話し言葉 / 档案資料 / 記述行為 / 清代中国語 / 口語体資料の研究 / 近世中国語語彙調査 / 中国語 |
研究成果の概要 |
従来歴史的な事柄のみが研究対象とされてきた、清代中国の裁判資料(档案資料)を言語面から分析した。特に、裁判資料の尋問と供述の言葉を取り上げることにより、中国における口語の記述がどのようにおこなわれたのか、どのような言語的特徴が見られるか、人物によって語彙の違いはあるのかを調査し、その言葉が、文学のための言語とは異なるシンプルな文体を持つこと、人物による語彙の違いは自称と語気助詞に見られるということ、また、裁判資料という性質上内容に整合を持たせることから、繰り返される語や表現が多い傾向にあることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国語は、話し言葉と書き言葉の違いが大きい言語であり、日本より遅れて1900年代に言文一致運動が起こった。いっぽうで、中国には、裁判は本人の供述によって進められたという歴史があり、その場合には供述書が供述者本人が語った言葉として作成されており、言文一致運動よりはるか以前から、口語らしく書くという行為がおこなわれていた。ただ、裁判文書(档案資料)は、歴史学の分野での研究が盛んであり、言語研究の対象としてみなされることは少なかった。 本研究は、裁判文書を言語資料として捉え直すことにより、供述者の使用する語彙を整理し、中国における口語体の歴史に、供述記録という流れがあることを提示した。
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