研究課題/領域番号 |
17K02788
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
荒尾 禎秀 清泉女子大学, 付置研究所, 客員所員 (20014813)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 福恵全書 / 和刻本 / 書誌研究 / データベース / 漢字語 / 訳解 / 左振仮名 / 振仮名 / 近代日本漢語 / 校合 / 日本語学 / 日本近代漢語 |
研究成果の概要 |
和刻本『福恵全書』の享受に関しては、江戸中期に為政者や儒者、通事に読まれていた中国版本『福恵全書』が和刻されたことにより一層広汎な知識人に読まれ、明治初期には法制研究にも用いられたことを明らかにした。また書誌調査による諸本の分類、訳解付き漢字語検索のためのデータベースの作成は基礎的な研究としての成果である。近代日本語語彙の研究としては、本書に使用の中国語の一部は新漢語となった可能性が認められ、日本語化する仕組みとしては中国語彙の左に付された振仮名が有効に機能していることを考察した。また訳解(左振仮名)の語彙や文体は口語性を持つこと、本書は明治期の辞書にも影響を与えていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
和刻本『福恵全書』は現存部数も多く、享受された歴史もあり、日本語学のみならず、近代法制史、近世近代中国地方社会史、書誌学や翻訳学など学際的学問価値を有する資料であることが予測される。本書そのものの研究はきわめて少ないなか、本研究での享受史、諸本書誌に関する研究成果は今後の多方面での研究に益するところがある。また諸本調査の結果を反映させたデータベースの作成により、多数存在する印刷が悪い訳解(左振仮名)箇所の判読が可能となり、訳解付き漢字語の検索が容易になったことは、今後展開される日本語学の近代語彙の研究にとって意義があり、また学際的な領域の研究にとっても有益である。
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