研究課題/領域番号 |
17K03072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 尾道市立大学 |
研究代表者 |
森本 幾子 尾道市立大学, 経済情報学部, 准教授 (20425060)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 阿波国商人 / 北前船商人 / 肥料取引 / 大坂両替商 / 金融機能 / 地域市場 / 奉納 / 文化交流 / 阿波国 / 廻船経営 / 蔵物 / 納屋物 / 手形 / 商品流通 / 商業金融 / 中央市場 / 肥料 / 北海道産鯡魚肥 / 手形流通 / 瀬戸内地域 / 日本海地域 / 幕末維新期 / 瀬戸内海地域 / 商人資本 / 肥料商 / 資金的対応 / 奉納互酬 / 日本史 / 交流史 |
研究成果の概要 |
本研究では、まず、阿波国商人と北前船商人の肥料取引を通して、近世近代移行期における商品流通と、それらを担う商業資本の特徴について明らかにした。また、結節点となる湊から阿波国在方への肥料流通やその担い手と在方商人の成長についても明示した。さらに、肥料代金決済を通して、阿波国商人と北前船商人間の商取引に信用を供与したのが、大坂商人であったことから、当該期の大坂の商業金融機能の重要性を指摘した。さいごに、阿波国商人と北前船商人が、互いの取引先地域の寺社へ「返礼」の意を込めて何らかの奉納を行っていたことから、経済的取引だけではなく、文化的交流が取引関係維持のために重要な要素であったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、まず、経済的先進性が指摘されているにもかかわらず、実証的研究が遅れている19~20世紀の瀬戸内地域経済の特質を、日本海地域の商業資本との商取引分析を通して、新興商人の担う商品流通のあり方から提示できたことである。さらに、本研究では、瀬戸内地域と日本海地域の商業資本が、相互の地域に対し、「返礼」の意を込めた文化的象徴物を贈与し、奉納互酬関係を構築したことを指摘した。このことは、経済的取引関係だけでなく、地域内や地域を越えた文化的交流関係が、相互の継続的関係維持に不可欠であったことの証左であり、現在の地域経済が生み出す文化について考察する上で示唆的なものとなった。
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