研究課題/領域番号 |
17K03082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
苅米 一志 就実大学, 人文科学部, 教授 (60334017)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 日本中世 / 瀬戸内海 / 寺社縁起 / 観音信仰 / 舟運 / 中世 / 観音 / 対外貿易 / 地域権力 / 古文書 / 寺社 / 縁起 |
研究成果の概要 |
瀬戸内海地域に所在する寺社の所蔵する中世の縁起資料を収集し、その読解を進め、共通する諸要素を抽出した。特徴的な要素として、観音信仰、河海における水害の救済、竜王・竜宮との関係、女人信仰、大和国長谷寺・山城国清水寺・近江国石山寺の観音との系譜関係などが挙げられる。こうした諸要素の比較の結果、これらが共通して語られる背景として、盛んな舟運を利用して観音信仰を伝播させた僧侶の存在、観音を本尊とする寺院に対する民衆の遊歴・巡礼・参詣などの現象を指摘することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
瀬戸内海地域において、観音を本尊とする寺社が圧倒的に多い理由を解明することができた。その理由は、経典に記載された観音菩薩の性質を期限とし、河海沿岸における水害を救済するものとして観音が希求されたこと、観音の化身や眷属として竜王・竜女・弁財天などが想起されたこと、さらに敷延して「この世において、人間をそのままの姿で救う」という性格が強調され、南北朝期以降は中央・地方の武士階級においても観音への信仰が高まったこと、結果として観音を本尊とする寺社への参詣・巡礼のルートが形成されていったことなどを挙げることができる。
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