研究課題/領域番号 |
17K03084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
清武 雄二 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 特任助教 (50753737)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 税制 / 食文化 / 税物生産 / アワビ / カツオ / 加工実験 / 成分分析 / 多分野 / 鮨鰒 / 長鰒 / 延喜式 / 木簡 / なれ鮨 / 熨斗アワビ / 税物貢納 / 食材貢納 / マダカアワビ / 税物運搬 / 日本史 / 食品学 / 食材加工 / 海産物 |
研究成果の概要 |
古代の代表的な貢納食材であるアワビ・カツオを対象として、熨斗アワビ(長鰒)、アワビのなれ鮨(鮨鰒)、カツオの乾燥品(煮堅魚・麁堅魚)の加工法や食品特性を検証した。具体的には、文献史料記載の数量・助数詞から加工形状を推定し、水産品の特性を踏まえて加工実験・成分分析を行った。その結果、長鰒の使用品種や加工の適期、梱包のための2次的な形状加工や長期保存可能な食品特性のほか、鮨鰒のアワビ・米・塩の材料比率等が判明した。煮堅魚・麁堅魚については、回遊魚としてのカツオの特性に関する情報を分析し、春~夏に漁獲される脂質の少ない個体、特に沿岸部を回遊する2Kg未満の未成魚が税物生産にむいていることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、古代の税物である食材自体の特性に着目することで、税物の加工・運搬・保管といった文献史料には記されていない古代税制の生産に関する実態的側面を解明した。その研究手法は、文献史料の分析に加え、水産研究・食品学といった多分野の学術情報や現在の生産者への聞き取り調査によって情報を収集・分析するとともに、その結果を加工実験や食品分析によって確認し、検証を重ねるものである。これにより、古代の水産品の加工法など、従来の文献史料のみではわかり得ない歴史事象に対する新たな実態的研究法の有効性を証明するとともに、アワビの加工などの具体的な研究事例と学術データを提供することができた。
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