研究課題/領域番号 |
17K03086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館 |
研究代表者 |
吉澤 悟 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 学芸部, 部長 (50393369)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 忍性 / 骨蔵器 / 律宗 / 社会救済 / 額安寺 / 竹林寺 / 五輪塔 / 忍性墓 / 実測図 / 救済事業 |
研究成果の概要 |
叡尊と忍性は鎌倉時代(13 世紀)の西大寺系律宗の僧侶である。両者はハンセン病患者や貧窮者に対する組織的な救済活動の先駆者として有名である。彼らの活動はこれまで伝記類で説明されてきたが、本研究では考古資料や仏像断片、石造物等の物質資料をもとに組織の実態を究明するものである。特筆される成果として、忍性墓出土の大量の分骨容器の分析から、僧俗貴賤男女を問わず東北から近畿まで広がる人物が活動に与していることが判明した。これは造仏や石造塔建立などに組織される結衆のしくみと共通点があり、ひいては律宗寺院が全国に広がる基盤ともなったとみられ、救済と布教を同時に進める律宗の活動戦略の根幹であったと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西大寺律宗の社会救済活動に関しては、これまで宗派内の史料に依拠した研究が進められてきたが、本研究では考古資料や美術作品等などから記録に残らない人々の活動実態を把握することに努めた。仏の信仰、僧侶への信頼などを基盤に、様々な階層や地域の人々が結集し、活動に与していた様子がおよそ把握されたが、それは社会規範を制度化した今日の福祉事業のあり方と対照的である。本研究の視座は、社会福祉の通史的研究にも寄与するものと思われる。
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