研究課題/領域番号 |
17K03096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山室 恭子 東京工業大学, 工学院, 教授 (00158239)
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研究分担者 |
小笠原 浩太 東京工業大学, 工学院, 准教授 (00733544)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 江戸 / 減災 / 都市災害 / 都市江戸 / 数量分析 / 火事 / 病気 / 災害 |
研究成果の概要 |
本研究では都市江戸が火災・水害・地震・疫病など、もろもろの災害から、どのように民を守ろうとしたのかについて、〈減災〉という新しい概念を導入し、さらに客観評価が可能な数量分析の手法を用いて位置づけ直した。 その結果、江戸びとが災害の被害を最小限に食い止めるために行った工夫の諸相が明らかになった。火災を例にとると、燃えやすく重い材木を扱う材木問屋は火災リスクの低い地区に、荷の軽い薬種問屋は火災リスクが高くても繁華街に、と商家は業態ごとに立地を選んでいた。商いの立地情報と各町の災害特性との相関関係を分析すると、各町の災害特性を考慮し、それに適合した商いを選ぶ、という減災の様相が明らかになってっくる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては、新しい視点から江戸の減災の各諸相が炙り出せたこと、社会的貢献としては、今まさに眼前にしているパンデミックへの対応が挙げられる。今後も続発することが予想されるパンデミックについて、社会へのダメージを経済的損失の尺度のみで測るのではなく、より長期的に未来の世代への影響、たとえば母体を通しての胎児の健康状況へのショックや、劣悪な教育環境が一定期間続いた場合の人的資本への負の影響などを数値として測定するための方法論を提供できる。社会経済の「将来への影響」に着目し、それをモデル化して具体的に解明する着想は、未来シナリオの構築にとって、きわめて有用であろう。
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