研究課題/領域番号 |
17K03108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
白川部 達夫 東洋大学, 文学部, 教授 (40062872)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 干鰯 / 鯡粕 / 〆粕 / 肥料商 / 地域市場 / 干鰯問屋 / 日本史 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、近世後期の市場変動の中で、肥料商がどのように対応したかを検討することであった。阿波と播磨を対象に調査と分析を行った。阿波国では藍作農民に藍商が魚肥を前貸しして、藍葉で決済していた。しかし19世紀になると新興の藍商が展開し、前貸し利子も低下し、現金決済が多くなったことを明らかにした。播磨国では、姫路藩の支配下で室津の干鰯問屋が市場を独占していたが、19世紀には飾磨港が干鰯市場を開設し、独占が崩れていった。こうしたなかで農村肥料商の仕入れ先が室津から飾磨、さらに兵庫(神戸)へと変化したことを指摘した。また大坂干鰯屋と諸藩の干鰯販売の関係を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来、前資本主義的な高利貸し資本として、農民への吸着が強調されていた肥料商について、その経営実態を実証的に明らかにする。これを通じて前期資本に対する固定的な見方を改めることができれば、日本の近代化に対する商業資本の役割も大きく見直すことができよう。研究では、大坂・播磨・阿波の肥料商の動向を検討したが、いずれの土地でも、社会変動のなかで肥料商が積極的に対応を行ったこと、またとくに阿波では幕末維新期に小規模肥料商がそれまでより農民に有利な肥料販売を行うようになり特産物藍の生産拡大に役立ったことを指摘した。商業資本といえども一方的に農民に吸着しただけではなかったといえる。
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