研究課題/領域番号 |
17K03143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
私市 正年 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (80177807)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | スーフィー教団 / ザーウィヤ / ナショナリズム / アルジェリア / イスラーム教育 / 独立運動 / 民衆運動 / モロッコ / ナショナリズム運動 / ジハード / コーラン学校 |
研究成果の概要 |
本研究は、アルジェリアの独立運動の研究において、軽視、ないしは否定的にとらえられてきたザーウィヤやスーフィー教団がイスラーム教育や情報交換の場の提供によって、農村におけるナショナリズム・イデオロギーの育成に大きな役割をはたしたことを明らかにした。本研究において、Hamilのザーウィヤの青年たちが非合法下で発行していた新聞al-Ruh紙を発掘したことは、非常に重要な史料上の成果と言える。この史料の分析を介して、農村の民衆たちが、イスラーム教育だけでなく、様々な新聞や雑誌、ラジオ放送、外来者たちとの接触によって政治意識や民族意識を形成していった過程が具体的に明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、ザーウィヤやスーフィー教団がアルジェリアのナショリズム運動において大きな役割をはたしていたこと、ザーウィヤやスーフィー教団におけるイスラーム教育と外部との接触の機会は、青年たちをナショナリズムやデモクラシーなど新しい政治思想に目を向けさせたこと、という二つのしい歴史解釈が提示された。こうした新しい知見は、FLNとウラマー協会を中心としたアルジェリア・ナショナリズムの理解を大きく変えることでもある。とくに新史料Ruh紙から明らかになった、Hamilのザーウィヤの青年たちが武装闘争まで志向していた事実の指摘は、従来のFLNの歴史観に根本的な再考をせまる学術的意義を有する。
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