研究課題/領域番号 |
17K03150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
伊東 利勝 愛知大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60148228)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ヤーザウィン / タマイン / 縁起 / 国民国家 / 近代歴史学 / ネイション / エトニ / アーサー・フェイヤー / ビルマ史 / ハンターワディー王統記 / モン人の歴史 / 国民国家史 / 年代記 / 城市タマイン / ナショナル・ヒストリー / 民族による政治 / 歴史 / 「民族」 / ナショナリズム / 社会科学 / 地方文書 / データベース化 / 縁起貝葉本 / [モン]年代記 / ジャータカ様式 / ダンマゼーディー王 / 大年代記 / 民族 / センサス / ミエドゥー城市 / 19世紀以前 / 貝葉 / 目録作成 / 東南アジア史 / 歴史理論 / 国民国家論 / 地方史 |
研究成果の概要 |
近代歴史学は,実証的科学的手法により厳正中立の実態を描き出すとして,その真正性を示すとしつつ,民族をアクターとする歴史叙述を生み出したことを,エーヤーワディー流域地方における,過去に関する語りとしての王統記(ヤーザウィン)や縁起(タマイン)などが,近代の国民国家史へと読みかえられていく過程を検討することにより,明らかにした。 それまで過去は,世の道理を説くためのものであったが,19世紀中期植民地権力によって導入された修史により,「ビルマ族の歴史」や「モン族の歴史」などを描くためのものになった。その結果,ミャンマー全体史はこれら諸民族による抗争の歴史として理解されるようになる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代社会の民族問題や国民国家間の抗争は,民族が前近代の「エトニ」を核として成立したという根源的紐帯説を乗り超えない限り,解決の糸口を見出すことはできそうにない。本研究では,ミャンマーにおける過去についての語りは,民族名を冠することなく,王や領主の事績を記すことにより因果応報,盛者必衰の理を説く縁起から,ネイションやエスニシティの歴史を描くものに変化したことを明らかにしたことにより,前近代における「エトニ」の存在は,近代になって成立したネイションが生み出した言説であることを証明した。
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