研究課題/領域番号 |
17K03156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 名桜大学 (2018-2021) 公益財団法人東洋文庫 (2017) |
研究代表者 |
坪井 祐司 名桜大学, 国際学部, 上級准教授 (70565796)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マラヤ / マレー語 / 民族 / メディア / マレーシア / ジャウィ / マレー民族 / 脱植民地化 / 東洋史 / イスラム / 東南アジア |
研究成果の概要 |
1950、1960年代のマラヤ・シンガポールで発行されたマレー語定期刊行物とそれをとりまく言論空間の分析を通じて、脱植民地化に際してどのような国家・社会の枠組みが提示されたのかを分析した。 月刊誌『カラム』をめぐる引用やテキスト連関の分析から、東南アジアのマレー・ムスリム知識人が中東のイスラム改革思想やインドネシアのイスラム運動を参照しつつ、近代主義的なイスラム国家構想を抱いたことを明らかにした。脱植民地化は植民地統治がもたらした領域枠組みにもとづくナショナリズムに強く規定されつつも、イスラム主義をマラヤの多民族・多宗教社会の文脈に落とし込み、代替的な国家構想を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マラヤやインドネシアの独立は、従来各国ごとに、独立後の主導権を握ったナショナリストの視角から叙述されてきたが、言論空間では活発な議論がなされており、野党の立場から越境的な国家構想を示した側に焦点を当てることで、脱植民地化には複線的な相互作用が含まれることを明らかにした。 1950、1960年代におけるイスラムやマレー・インドネシア語を通じた国境を越えるネットワークの存在は、その後の1970年代以降のマレーシアやインドネシアの「イスラム化」の底流を明らかにすることにつながる。 植民地近代性と越境的なネットワークが連動しながら展開される島嶼部東南アジア史に新たな視角を提示したと考えられる。
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