研究課題/領域番号 |
17K03162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
伊丹 一浩 茨城大学, 農学部, 教授 (50302592)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 荒廃山岳地 / 酪農組合 / 19世紀 / 南フランス / オート=ザルプ県 / フランス / オート=ザルプ県 / フランス史 / 農業史 / 環境史 / 森林史 / 畜産史 |
研究成果の概要 |
本研究では、19世紀フランス南部山岳地オート=ザルプ県を対象として、水害対策という公益を目的とした荒廃山岳地における植林事業と、その事業の犠牲となる私益である牧野住民における家畜放牧経営との相克を分析した。公益と私益の融和のために当時のフランスでは酪農組合を普及させることで山岳地農村の活性化を目指した。その結果、経済的立地に恵まれた農村においては、酪農組合の一定程度の発展を実現できたが、山岳地の荒廃が進行し、植林事業が危急のものとなっていた農村においては、経済的立地条件もまた同時に不利であったがゆえに酪農組合の展開を実現させることができず、かえって、その衰萎をもたらしたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の研究においては、19世紀フランス南部山岳地の植林と酪農組合普及政策とを結びつけて理解するものが存在しておらず、よって、そこで見られる公益と私益の融和の取り組みやそれによる一定の成果を検出することができていなかった。それとともに、両者の融和において限界も存在しており、とりわけ、経済的立地条件が大きな基底的要因であったことも、これまでの関連学術研究においては指摘がされていなかったところであり、こうした点を解明したことに本研究の学術的意義を認めることができる。
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