研究課題/領域番号 |
17K03169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 尚平 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (70597939)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 集合的記憶 / 忘却 / 文書管理 / 植民地独立 / 脱植民地化 / イギリス帝国 / マルタ / セイロン / スリランカ / 記憶 / 公文書管理 / 文書等毀棄 / 集団的記憶 / 歴史認識 / 協力者 / コラボレーター / 隠蔽 / 記録 / 植民地 / 帝国 / 史料批判 |
研究成果の概要 |
第二次世界大戦後、ヨーロッパや日本の諸帝国は、世界各地から撤退した。この時に、各帝国にとって都合の悪い過去の記録が何らかの形で処分されただろうということは想像にかたくないが、その多くは謎に包まれている。当時最大勢力の一つであったイギリス帝国も文書の隠蔽を行なっただろうと考えられるが、やはりその詳細はほとんど知られていない。こうした中、イギリス帝国が隠蔽したはずの植民地文書が、実はロンドン郊外に保管されていたということが近年明らかになった。本研究計画は、この新出史料を読み解きながら、イギリス帝国が世界各地で行なった文書隠蔽工作の様子を、特にその初期段階の展開に焦点を当てて検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植民地独立期のイギリス帝国による文書隠蔽工作は、世界の現代史の理解を大きく歪めるものであった可能性がある。つまりこの文書隠蔽工作で何が起きたのかを解明することは、それ自体として学術的な意義があると言えるが、さらに事例を超えた社会的な意義を考えることも出来る。今日、多くの国家や民族は、自分たちの過去についての記憶を共有してアイデンティティの一部としている。その一方で、同じ集団が、自分たちにとって都合の悪い歴史からは目をそらしながら何とか社会としてのまとまりを保っているという場合もある。集合的記憶の裏にある意図的で集合的な忘却、言わば集合的忘却に、本研究は光を照らし得るのだ。
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