研究課題/領域番号 |
17K03186
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
|
研究機関 | 東京大学 (2022) 青山学院大学 (2017-2021) |
研究代表者 |
菊地 重仁 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80712562)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | フランク王国 / 威嚇 / 文書形式学 / 刑罰 / 命令伝達・執行 / 訓戒 / カロリング朝フランク王国 / 文書発給 / 修道院 / 紛争解決 / 規律・統制 / 歴史叙述 / 証書 / 紛争 / ヨーロッパ初期中世史 |
研究成果の概要 |
本研究においては、とりわけ8・9世紀のフランク王国の君主文書および命令書における威嚇文言に関して研究成果が得られた。例えばインムニタス特権関連文書における権利侵害に対する罰金設定や、君主の命令書における「恩恵」の剥奪という威嚇文言に注目し、それぞれを政策策定・遂行過程の中で文脈化することに成功した。さらに教皇文書に見られる霊的威嚇(破門、神の怒り等)を分析し、9世紀の教皇たちによる教皇権威の強調の試みと結びつけることにも成功した。他方、編年誌などの歴史叙述史料の分析からは、同時代人たちが「威嚇」という行為を状況に応じて肯定的にも否定的にも捉えていたことが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、威嚇が効果を持つには、その背後にある力が威嚇者と被威嚇者の双方に共有されていなくてはならないということを前提にして進められた。威嚇の作法・様態・機能・認識などを威嚇者・被威嚇者・観察者のそれぞれに目を向けた考察を進める中、一つの社会あるいは文化圏における威嚇をめぐるこれらの諸要素の総体を「威嚇の文化」として把握するという視角が得られた。こうした文化が共有されている状況においては、威嚇が秩序の創出・安定に寄与し得ること、他方でこれら共有されていない場合は対立のエスカレートにつながり得る。こうした視角・地検は現代社会の把握にも寄与し得るものと思われる。
|