研究課題/領域番号 |
17K03195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 名古屋大学 (2018-2019) 愛知工業大学 (2017) |
研究代表者 |
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 世界大戦 / ドイツ史 / 社会国家 / 社会政策 / ジェンダー史 / ソーシャルワーク / 第一次世界大戦 / 第二次世界大戦 |
研究成果の概要 |
本研究課題は、女性の社会活動(ソーシャルワーク)が福祉国家形成に果たした役割を検証するものである。20世紀前半の女性たちの社会活動は、ドイツはもとよりヨーロッパ全体においても、困窮する人びとに対する援助を中心とする。世界大戦によって、資金や人的資源の面で女性の社会活動は国家レベルでの支援との協働が不可欠となったため、戦後のドイツおよびヨーロッパの国々は、必然的に国家が困窮者支援を主導する福祉国家にならざるを得なかった。戦時下の女性の社会活動は、国家による福祉政策主導に先立つ援助システムであり、また国家の支援を補完する重要な役割を担うものであったことを、本研究を通して明らかにできたと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は、社会国家(福祉国家)の生成の過程における女性のソーシャルワークの寄与という、公的支援システムに民間の援助がどう関与したかを明らかにした。この成果は、福祉国家生成をめぐる議論において、公私協働ネットワーク論の重要性を強調するものである。本研究課題の成果は、福祉の民営化を進める21世紀の日本の姿勢とは逆に、公的支援の枠外にいる要救護者への支援を民間の援助によって補完するシステムが、戦争という大きな社会的混乱に対処するのに適していることを示した。感染症対策が急務の現在、戦争と同様に社会の混乱が著しいなか、公的支援を中心にすることで人びとの安寧が守れることを提示したのである。
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