研究課題/領域番号 |
17K03198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
森永 貴子 立命館大学, 文学部, 教授 (00466434)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | キャフタ / 国境線 / エスニシティ / 茶 / 帝国 / 商人 / 密輸 / 露清貿易 / モスクワ / ロンドン / 会計文書 / 自由貿易 / 漢口 |
研究成果の概要 |
帝政ロシアの茶貿易は清との国家間貿易だったと同時に、急激な消費拡大と民間商人の経済活動に支えられた。18世紀ロシアはキャフタを正式な露清交易拠点とする茶の陸路輸送が中心だったが、19世紀半ばまでイギリス船による海路の密輸や国境地帯住民の密輸が多く、国庫と商人両方の損失が危惧された。しかし天津条約(1858)以降はロシア帝国を包含する合法な陸海の茶輸送ルートが確立する。本科研は、19世紀後半からロシア革命の時期まで露清貿易の最大品目だった茶の流通に焦点を当て、その越境ルートと商人の事業努力を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロシアの茶の輸入ルート変化は、自ら清の市場に進出して製茶業に従事したロシア人企業家の活動と、ロシア市場のグローバル化が影響している。19世紀後半のロシアの茶貿易はユーラシア大陸を内外から包摂し、ロシア商人や多様なエスニシティが関与したことを本科研成果でも明らかにした。これは同地域でこれまで起こってきた政治紛争と異なる、民間商人のネットワークの存在を示している。本科研の意義は、従来政治・外交史視点で捉えられがちだった露清領帝国の経済的関係を民間商人、エスニシティという下からの視点で研究した点であり、現在も分析が難しいユーラシア大陸内部の流通問題に新しい知見を与えうると考える。
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