研究課題/領域番号 |
17K03205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
荒木 志伸 山形大学, 学士課程基盤教育機構, 准教授 (10326754)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 石造文化財 / 立石寺 / 庶民信仰 / 松島 / 出羽三山 / 信仰 / 銘文 / 霊場 / 東北地方 / 山寺 / 奥の院 / 磨崖供養碑 / 屋号 / 弥陀洞 / 山岳信仰 / 巡礼 / 供養碑 / 墓石 |
研究成果の概要 |
従来から進めてきた立石寺参道の石造文化財調査では、新たな発見がいくつかあった。特に磨崖供養碑に関して、せみ塚付近の磨崖供養碑に「上山」の地名を発見し、信仰圏の広がりに関する新たなデータが得られた。弥陀洞地区で「市村屋」と屋号が刻まれたものを山内で初確認し、建立者や庶民信仰の実態につながる可能性がある。この屋号については多数確認されている松島・雄島周辺との比較検討を行い、出羽三山をはじめとした各地の霊場との比較分析もおこなった。一連の研究成果については、2018年に東北大学で開催された国際シンポジウム、2019年8月に日本山岳修験学会・第40回大会等で発表すると共に、論文誌上でも報告している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
立石寺をはじめ、各霊場内に所在する石造文化財は、文献史料のみでは解明が難しい庶民信仰の実態に迫ることのできる貴重な歴史資料である。本研究では立石寺、松島、出羽三山等で約2000基の石造文化財を調査し、形式・石材・銘文データを得た。膨大な「モノ」資料の実践的研究から、地域の歴史解明が可能となったといえる。また、霊場・立石寺の歴史的景観の復元も可能となってきた。例えば松尾芭蕉が元禄2年(1689)に立石寺を訪れ「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだとき、山内には約30基の磨崖供養碑と約10基の石塔が造立されていた様相が判明した。各霊場の調査成果は、地域の観光資源として今後その活用も期待される。
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