研究課題/領域番号 |
17K03303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
濱田 信吾 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (00734518)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 地域研究 / メロワール / テロワール / 水産業 / 環境変化 / 沿岸社会 / 北海道 / 食文化 / 食の人類学 / 沿岸漁業 / ニシン / 味 / フードスタディーズ / 環境人類学 / 魚食文化 / 環境変動 |
研究成果の概要 |
テロワール(terroir)がフランスのワイン業界における銘産地の創造や産地保護の政策とともに発展した概念であるのに対し、メロワール(merroir)はテロワール概念を沿岸環境と海産物に当てはめつくられた造語で、北アメリカ、特にワシントン州やチェサピーク湾の牡蠣がその概念形成における主産物となっている。北海道の沿岸水産業界では、メロワールという言葉は用いられていないものの、地理的環境や環境変化が漁獲物の量とともに質に影響するという環境要因、そして、生産、卸、加工にかかる手作業や技術とともに、歴史が水産物の質に影響する文化的要因が、水産物の気候風土に関する言説を構成していることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
テロワールを事物ではなく社会過程として捉えた研究は日本国内では発展段階と言える。さらにメロワールへの注目は、陸地・農産物に偏りがちの食システム研究において、沿岸社会と魚食文化研究に新たな視点と展開の可能性を示すものとなる。本研究は、テロワール論の先行研究では主要考察要因とされていない環境変化に注目することによって、国際的食文化研究の主テーマである「食の場所、アイデンティティ」の現実的でローカルな視点からの食と環境の研究の可能性と重要性を示した。また、国際的にもまだ事例数が少ないメロワール研究を、魚食や水産とともに発展してきた日本から、国際学会での発表を通じて行えた。
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