研究課題/領域番号 |
17K03323
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
松本 尚子 上智大学, 法学部, 教授 (20301864)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 裁判外紛争解決 / 自治体調停 / 和解 / ヴァルデック / ドイツ / 19世紀 / 治安裁判所 / 司法利用 / 和解率 / 調停 / 勧解 / ミクロ史 / ADR / 司法史 / 裁判外紛争 / 勧解人 |
研究成果の概要 |
本研究は、19世紀ドイツ地域型調停の運用実態を、残存する調停記録帳から分析するものである。具体的には、研究開始時点でわずかにその存在が確認できていた19世紀末ドイツの自治体調停記録帳を統計・内容的に分析し、当時の代表的裁判外紛争解決手続きが住民のどのようなニーズに応えたのかを測り、後の比較法史研究に資することを目指した。 調査によりマールブルク公文書館に大量の―1848~1879年のみで11,700事件を超える―自治体調停記録が見つかり、サンプルとしてヴァルデック侯国ニーダーヴィルドゥンゲン治安裁判所における記録帳の申立件数、紛争内容、和解率、当事者の社会的属性等の傾向を分析した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、19世紀ドイツの自治体調停記録帳を分析する、国内外で最初の包括的研究である。ADRの普及により新たにその重要性が認められた調停の生の記録を提供することにより、国内では、裁判外紛争解決史料の比較研究に資することが見込まれる。一方、近年のドイツでは、1980年代以降のミクロ史・日常史の台頭により、下級審や市町村の行政記録への史料的関心が高まっており、本研究の成果がこうした研究に有効活用されることが見込まれる。 さらに、本研究では、教区教会主導で結成された調停団体「平和協会」の存在が明らかになった。これは近代ドイツの調停への理解を部分的に修正するインパクトがあるといえよう。
|