研究課題/領域番号 |
17K03329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
瀧川 裕英 立教大学, 法学部, 教授 (50251434)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 政治的責務 / 権威 / 政治的権威 / 政治的正統性 / 民主的決定 / 認識価値 / 民主制 / 外国人 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、民主的決定は権威を持つか、持つとすればその根拠は何かという問いを、理論的に検討し解明することにより、民主的決定のいわば外部にいる存在、具体的には外国人・未成年者・受刑者などを視野に入れた政治的責務の正当化論を構築することである。本研究は、ジョセフ・ラズの権威論を詳細に検討し、権威は合理性によって正当化されること、権威の意義は特定化にあることを確認した。その権威理解に基づき、民主的決定が権威を持つのは、民主的決定の手続価値によるのではなく認識価値にあること、このように理解することで、民主的決定手続に参加していない外部者に対しても、民主的決定は権威を持ちうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民主的な手続を経て決定したことに対して、その決定とは別の意見を持つ者も従うべきか。従うべきだとするならば、その根拠は何か。こうした基本的な問題に対して、本研究は、政治的権威・政治的責務・政治的正統性といった基礎的概念の検討を通じて、民主的決定が正統な権威を持ちうるのは、それが内容的に正しい蓋然性が高いからである、ということを示した。このことから、民主的決定に参加していない人々、具体的には外国人や未成年者、受刑者に対しても、民主的決定は正統な権威を持ちうることを示した。これにより、民主的決定手続の制度設計は、その決定内容が正しくなるようなものにすべきだということが示された。
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