研究課題
基盤研究(C)
第二次世界大戦以降の世界的な違憲審査制の普及は、人権保障の強化など立憲主義の進歩をもたらした反面、憲法学の視野を判例実証主義的な方向へ収縮させる危険も指摘される。本研究は、近年の独仏での発展の検討などを踏まえつつ、憲法学に憲法の政治性への意識や理論性を再生しようとする試みから日本憲法学へのいかなる示唆を汲み取ることができるかを、いくつかのテーマに即して検討・考察する。具体的には、①憲法学の構造をどう考えるか、②憲法学の対象としての憲法概念をいかに捉えるか、③民主政など統治構造の諸問題を論じるためにいかなる方法が可能か、に特に重点を置く。
本研究では、まず憲法学の学問的構造に関するいくつかの論考を執筆し、ここで法規範としての憲法の特性やその自律性に対して憲法学がどのようにアプローチするのかという観点を分析の切り口として採用した。次いで、憲法規範の特性に関しても、憲法の持つ複数の性質の間での緊張関係に焦点を当てて検討する論考を執筆・公表した。また、具体的な統治機構論上の諸論点に関しても検討を進めた。全体として、違憲審査制という制度的支えの外における憲法のあり方について考えていく上での基礎的な作業を行うことができたと考えている。
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論究ジュリスト
巻: 38 ページ: 121-131
巻: 36 ページ: 24-32
憲法研究
巻: 8 ページ: 53-64
樋口陽一、木庭顕、蟻川恒正(編)『憲法の土壌を培養する』(日本評論社)
巻: なし
第13回日仏公法セミナー論集(タイトル未定)
法律時報
巻: 2020年12月号 ページ: 1-3
Beiheft zur Zeitschrift Der Staat
巻: 24 ページ: 125-145
巻: 32 ページ: 132-144
巻: 2020年4月号 ページ: 6-13
Beiheft zur zeitschrift "Der Staat"
東大社研、玄田有史、飯田髙(編)『危機対応の社会科学 下: 未来への手応え』
巻: 2 ページ: 3-29
巻: 90(9) ページ: 102-108
宍戸常寿・林知更(編)『総点検 日本国憲法の70年』岩波書店
巻: 1 ページ: 1-16
鈴木秀美、マティアス・イェシュテット、小山剛、ラルフ・ポッシャー(編)『憲法の発展Ⅰ―憲法の解釈・変遷・改正』信山社
巻: 1 ページ: 85-95
Matthias Jestaedt, Hidemi Suzuki (Hrsg.), Verfassungsentwicklung I ; Auslegung, Wandlung und Aenderung der Verfassung, 2017, Mohr Siebeck
巻: 1 ページ: 77-86