研究課題
基盤研究(C)
本研究は、主権の一側面である国家管轄権が、国際条約によって規律されることで、どのような機能変化を遂げるのかを検討することを目的とする。検討においては、テロ関連防止条約など、処罰の実効性を確保するために締結された国際条約を取り上げて、国家が自国利益の実現のために領域内で行使を独占している執行管轄権が、条約上の義務の下で、諸国家の利益を実現する手段として機能していることを明らかにした。
本研究の学術的意義は、条約体制における国家管轄権の機能変化を実証的に示したことである。国際条約である以上は、何らかの共通利益の実現を目指していることは当然である。しかし本研究は、管轄権の法構造、すなわち立法管轄権と執行管轄権の相互の関係や制約を踏まえた上で、条約体制が国家管轄権を諸国家の共通利益の実現手段とするための手法を明らかにし、併せて国家管轄権の多面的な機能を示した点に意義がある。
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