研究課題/領域番号 |
17K03399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
西 平等 関西大学, 法学部, 教授 (60323656)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カール・シュミット / 国際法 / 戦間期法思想 / 国際秩序 / 敵 / 媒介性 / 中立 / ノモス / 戦争法 / グローバルな内戦 / 国際秩序思想 / 国際法思想 / 国際法学 / 国際法史 / 国際政治思想 / 法思想史 |
研究成果の概要 |
カール・シュミットは、状況に応じて大きく異なった主張を行っており、日和見主義的であると評価されてきました。この研究では、大きく異なっているように見えるシュミットの国際法論を貫く原理を探求しました。最も重視したのは、媒介性(Mittelbarkeit)という概念です。各人がそれぞれの信じる正義や規範を直接に(無媒介的に)実現するならば、万人の万人に対する戦争の状態が出現します。それを阻止するために、各人に対して正義と規範を媒介するのが国家であり、そのような媒介性こそが国家法と国際法の基本原理であるとシュミット考えています。このような媒介性は、他者の法的な地位への承認と結びついているのです。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究では、媒介/無媒介という概念区別に着目することにより、それぞれの価値と正義に直接に向き合う個人への共感と、それによって引き起こされる共同性の断裂への恐怖という、二つの相矛盾する要素が、シュミットの公法論・国際法論を規定していることを示しました。 現在の世界では、一方には、自らの信奉する宗教的・文化的価値を、制約のない手段によって無媒介的に実現しようとする人々があり、他方には、市場における価値実現を信奉し、あらゆる規制を取り払って無媒介的に利益を実現しうる世界を作り出そうとする人々がある。無媒介性に憑りつかれた世界を再検討する試みとして、ここではシュミットを取り上げた。
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