研究課題/領域番号 |
17K03573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
宗前 清貞 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (50325825)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 医療制度 / 公衆衛生 / 近代史 / 福祉国家 / 公共政策 / 母子保健 / 政府間関係 / 自治体行政 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本の衛生状況が劇的に改善された原因の追究を目的とし、その一因が地方政府の高い政策実施能力にあることを明らかにした。当初は戸籍や学務管理、兵事を担当した地方政府は、昭和に入って「保健国策」を具体化する責任を負った。戦後もこうした傾向は変わらず、大量の保健師と近代的保健ステーション(保健所)を基盤として、高い水準の公衆衛生行政が進められていった。国民は、地方政府が医療保健問題の解決能力を期待し、特に偶発的に結核が克服された結果、地域保健活動は地方行政の重要な柱として展開されることになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の周産期衛生状態は世界最高水準にあるが、ほんの70年前まではそれほどよい状態ではなかった。しかもわが国の対GDP費医療支出はそれほど高くなく、いわば「安くて良い」医療がなぜ実現したのかは大きな謎であった。 本研究は、それが戦時体制とはいえ、地方政府に政策執行責任を負わせ、憲法体制が変化した戦後においてもそれが継続した点にあることを、社会科学分野(少なくとも政治学・公共政策学分野)では初めて明示した。歴史的経路依存で成立した制度なので、今後の制度変更は細心の注意を払って設計すべきであることを暗示した。
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