研究課題/領域番号 |
17K03583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋藤 嘉臣 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (10402950)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 冷戦 / 占領期 / 日英関係 / プロパガンダ / 冷戦史 / 文化 / 広報 |
研究実績の概要 |
本年度は、占領期日本(1945年8月ー1952年4月)におけるイギリスの文化活動の実態について調査を行なった。それは、①同時期におけるイギリス・ミッション(the United Kingdom Liaison Mission)による公然的な広報活動の特質の検討と、②イギリス・ミッションとGHQとの協力関係および緊張関係の考察、によって構成された。 第一の点について、イギリス・ミッションは、戦後日本とイギリスの抱える問題が同じであるとする、日英間の「類似性」に関する日本社会の認識を利用しながら、イギリスで構築が進みつつあった福祉国家を宣伝した。それにより、日本にもイギリス型の民主主義が構築されることが期待された。また、イギリス型の民主主義は、アメリカ型ともソ連型とも異なる民主主義の形態であると考えられ、日本を西側諸国に繋ぎ止めておくために最適と考えられた。 第二の点について、イギリス・ミッションで情報担当スタッフを務めたベア・レッドマンを通して、イギリスはGHQとの良好な関係を保つことが可能であった。むろん、GHQはアメリカ人以外の諸外国関係者が日本人や日本政府との間に直接の接触を図ることを制約したり、日本社会へのGHQを通さない直接的な情報発信を禁じる等、イギリスの広報活動には様々な制約があった。また、日本における民主主義の可能性や共産主義の脅威に関して、アメリカ側との間には認識の相違もあった。それでも、イギリスは他の連合国と異なって、GHQとの良好な関係を保ちながら、日本社会にイギリス関連の情報を発信し続けることが可能であった。 以上の成果は、国際誌であるThe International History Review誌に投稿されたあと、掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度後半には、新型コロナウィルスの影響も低くなったが、年度前半の影響で研究の進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
占領終結後の日本における、イギリス政府の文化活動の実態を考察する予定である。とくにブリティッシュ・カウンシルの活動、イギリス大使館による対日広報文化活動に注目しながら、検討を進める。
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