研究課題/領域番号 |
17K03647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中井 大介 近畿大学, 経済学部, 教授 (70454634)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 功利主義 / ヒューム / ベンサム / ピグー / パターナリズム / ミル / utilitarianism / paternalism / liberalism / 自由主義 / 経済思想 / シジウィック / 尊厳 / リベラリズム / 経済学史 |
研究成果の概要 |
「パターナリズム(paternalism)」や「功利主義(utility)」の蓄える意味合いが、どのように歴史的に変遷したのか、あるいはそのような変遷がどのように経済思想の歴史的展開と関連しうるのかという問題について、18世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した主要な英国経済学者らによる一次文献ならびにデジタルアーカイブズにおける実際の用例に注目しながら調査・分析を実施した。その結果、とりわけ19世紀末から20世紀初頭にかけて、パターナリズムがネガティブな意味合いを帯びる一方、経済学者らは功利主義のアイデアを積極的に理論的展開に援用することになった点等を論文や研究報告等を通じて公刊・発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「パターナリズム」や「功利主義」といった言葉の用例を歴史的に調査し、それらの概念の備える意味合いの変容に光をあてるものである。このような概念史的アプローチを通じて、特定の用語の意味合いの変化を浮き彫りにするだけでなく、我々の歴史相対的な価値判断の機敏であるけれども重要な変化を見極める手掛かりを得ることが可能となる。特に本研究で、19世紀末から20世紀初頭にパターナリズムが否定的な意味合いを帯びるようになった点、さらに功利主義への批判の論点が20世紀以降には快楽主義から分配問題へとシフトした点を明らかにした点は、現代の我々の経済的認識の立ち位置を再確認するうえで有益な手掛かりとなりうる。
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