研究課題/領域番号 |
17K03652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
加藤 健 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (70612399)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | アメリカ制度学派 / J.R.コモンズ / W.C.ミッチェル / 意思 / 制度進化 / 人間行動モデル / W.マクドゥーガル / J. R. コモンズ / 意思主義 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は,20世紀前半のアメリカ経済思想においてコモンズの意思的理論と制度進化の特徴を検討することにある.コモンズは,J.B.クラークの限界生産力理論を批判し,コモン・ローの枠組みにおいて新たな市場のルールを模索する中で,取引における「その場に応じた程良い価値」の実現を試みた.コモンズ理論の特徴は,当時の主流派経済学で所与とみなされた人間の意思を組み入れ,裁定者がデュー・プロセスに従い活動している意思を持つ取引当事者の慣習の中から法的ルール,つまりゴーイング・コンサーンのワーキング・ルールを見出し,彼らの行動を誘うことで「その場に応じた程良い価値」を社会的に実現しようとすることにあった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内外の先行研究において19世紀末以降のアメリカ経済思想における意思主義を深く掘り下げた研究はほとんど見られない.アメリカ社会の変容の中に経済学をはじめ法学や心理学分野にまで広く横断する内容を持ったコモンズの意思主義的側面を位置付けようとする本研究の試みは,他の社会科学分野へのインパクトという点でも学術的意義がある.また本研究は,大戦間期のアメリカ産業社会において市場に参加する人間の意思の側面を効果的にコントロールする可能性を探る当時のアメリカに固有の問題を踏まえた上で,今後の我が国が採るべき安定的で効率的な社会制度の設計の方向性に対して重要な示唆を与えるという社会的意義を持つ.
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