研究課題/領域番号 |
17K03849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
唐澤 達之 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (10295438)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 給水事業 / 近世 / 長い18世紀 / ロンドン / ウェストミンスタ / 水道 / チェルシー給水事業会社 / 経済史 / 18世紀 / 中世後期 |
研究成果の概要 |
近世ロンドンでは、株式会社形態をとる私企業によって、個別世帯に給水するシステムが整備された。この給水システムの転換を担った18世紀の給水事業会社のケーススタディ(チェルシー給水事業会社)により、給水技術の革新のプロセスと、株主、経営者、顧客の利害が事業運営にどのように反映されたのかを検討した。給水システムの管理運営の担い手が、都市自治体から私的な事業会社に転換していくとはいえ、市場経済と資本の論理が直ちに浸透したわけではなく、ローカルでコミューナルな性格を失わなかったこと、またこの転換を支える技術革新もジグザグな展開をしたことからみて、給水システムの転換は漸進的なものであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近世ロンドンの給水事業に関する従来の研究は、技術革新の側面に着目する傾向が強かったが、本研究の意義は、給水事業会社の経営分析により、給水事業をめぐる諸利害の関係、さらには給水システムの転換を可能にした都市社会の特性の一端を解明した点にある。これを出発点として、水問題を切り口とした異なる時代間-地域間の比較都市史的研究への展望が開かれる可能性がある。また、現在水問題はグローバル・リスクのひとつとされているが、給水システムの基盤整備やガバナンスの欠如ゆえに経済発展を実現できない地域にとって、また水道事業の民営化に伴う諸問題に直面する地域にとっても、歴史的な観点から知見をもたらすことが期待できる。
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