研究課題/領域番号 |
17K03851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
黒羽 雅子 山梨県立大学, 国際政策学部, 名誉教授 (50330733)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 米国州法銀行史 / 米国預金保険制度史 / 米国州法銀行制度史 / 日米地方銀行史の比較 / 銀行経営者史 / 米国預金保険制度 / 銀行破綻処理手法 / ポピュリズム / ネブラスカ州 / アメリカ銀行化協会 / 米国州法預金保険制度 / ポピュリスト / アメリカ銀行家協会 / 米国郵便貯金銀行 / 1920年代 / 州法銀行 / 銀行危機 / 支払停止 / 銀行破綻処理 / 州法預金保険制度の破綻 / 州法銀行の破綻処理 / ネブラスカ銀行家協会 / 米国郵便貯金制度 / Henry W. Yates / 全国地方銀行協会 / 鈴木良作 / ネブラスカ州銀行業 / 準州時代 / 米国西部初期銀行業 / 米国銀行制度 / 預金保険 / 破綻処理 / 株主の二重責任 |
研究成果の概要 |
本研究では、まず連邦預金保険制度発足当時の加盟国法銀行および州法銀行の破綻処理手法発展史を明らかにしつつ、国法銀行制度、州法銀行制度における銀行整理手法の詳細を整理した。これにより、それらの手法の多くが、1863年の国法銀行制度(二元銀行制度)成立前、すなわち州法銀行制度時代から徐々に発展してきたものであることが明らかになった。また、20世紀初頭の州法預金保険制度導入州では、1920年代の多数の銀行破綻を経験しながら、破綻銀行の清算と再建に関する様々な手法が試行錯誤の中から生み出された。これらの経験が、さまざまな形で、連邦預金保険制度に反映されていたことが否定できないとの結論を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
米国においては連邦預金保険制度成立以後、とりわけ1980年以後同制度の存在意義を否定する議論が高まり、かれらは、今日においては米国の金融制度の脆弱性が、建国以来のポピュリズム思想と19世紀末のポピュリスト運動によって生み出されたものと断じる。本研究では、米国に独特な金融諸制度を生み出した背景に、ポピュリズム的思想が存在することを認めつつも、金融自由化が進み、危機の規模が大きくなる中で、預金保険制度の持つ、システミックリスク回避や破綻銀行の整理・再建等の機能が重要な意味を持つことを示し、国民が長期にわたって形成してきた政治経済思想とそれが生み出した制度を是非を簡単には評価できないことを示した。
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