研究課題/領域番号 |
17K04093
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
仁平 典宏 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (40422357)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | NPO / 市民社会 / 新自由主義 / 社会運動 / ビジネスライク化 / 質問紙調査 / 市民社会組織 / サードセクター / 社会学 / 非営利組織 |
研究成果の概要 |
市民セクターのビジネスライク化について法人格、助成構造、言説、市民社会組織の4点を検討した。法人格のレベルでは、NPO法人から経済活動の自由度が大きい法人類型への推移が見られた。助成構造では、CSRの内容が資本市場に接近したり、助成の基準に監査文化が浸透しつつある可能性が示唆された。言説のレベルでは、NPOの語が政治の意味論を離れ経済の意味論に接近しつつある傾向が見られた。市民社会組織構造のレベルでは、2006年と2019年の調査データからビジネスライク化の進行がある程度観察された。事業収入への依存は政治的自律性の喪失につながったが、経済活動・事業を行うこと自体には負の効果は見られなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、市民セクターの自律性が浸蝕されるリスクについて、国家の直接的な統制の水準ではなく、言説や文化、資金構造といった水準で複層的に解明した点にある。市民社会組織が競争的資金に依存することは政治性の喪失やミッションドリフト、雇用の脆弱化といったリスクにつながっていた。また市民社会を語る言葉が経営論的なものに接近することが、活動者の自己定義の変容を通じてアドボカシー機能の喪失につながるリスクも明らかになった。他方で、経済活動を行うこと自体がミッションドリフト等に繋がるわけではないことも明らかにした。以上の知見はビジネスライク化のリスクの所在を明確化した意義を有する。
|