研究課題/領域番号 |
17K04126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山中 浩司 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (40230510)
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研究分担者 |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (10432436)
岩江 荘介 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80569228)
樋口 麻里 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (80755851)
野島 那津子 石巻専修大学, 人間学部, 准教授 (00788614)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 希少疾患 / 社会的宙吊り状態 / 病人役割 / 病の語り / 疾患イメージ / 境界性 / 宙吊り状態 / 宙づり状態(liminality) / 難病 / 患者参加 / インタビュー / 宙づり状態 / 聞き取り調査 / 就労支援 / 希少難病 |
研究成果の概要 |
3つのグループの希少疾患患者の語りは主として三つの領域に属する6つのテーマで構成されることを確認した。1)社会制度の領域:「不合理な医療」と「硬直した社会制度」、2)コミュニケーションの領域:「説明の困難・理解の欠如」と「強いられた自力探索と偶然の効用」、3)社会カテゴリーの領域:「カテゴリーの不在」と「スティグマと道徳」というテーマで構成される。これらテーマの背後に、「社会的宙吊り」と呼ぶべき状況が存在すると推定された。また、公費負担のケース、支援のない希少疾患のケース、病名未確定のケースについては、後者になるにしたがい、上記の領域における社会的困難の程度はより深刻になる傾向を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内では、希少疾患という枠組みを用いた聞き取り調査についてほとんど報告がなく、一般に知られていない疾患をかかえる当事者の社会的困難について情報を発信する価値は高い。欧米における患者の状態との比較も可能となり、文化的な影響を検証することも可能である。しかし、本研究の学術上の貢献は、医療社会学における「病人役割」論と「道徳的スティグマ」との関係を検討できる点にあると考える。希少疾患当事者の分析は、医療行動をとり、当事者が十分に病人役割を受容しても、周囲の社会はそれを許容しないという事態を明らかにする。また、疾患イメージの空白が、当事者に対する道徳的スティグマと結びつく問題を提起する。
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