研究課題/領域番号 |
17K04158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中村 英代 日本大学, 文理学部, 教授 (50635191)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 依存症 / ダルク / アルコホーリクス・アノニマス / ナルコティクス・アノニマス / ベイトソン / 質的調査 / ナラティヴ / 回復 / 資本主義 / 薬物依存 / 12ステップ・グループ / 12ステップ・プログラム / Alcoholics Anonymous / AA / 12ステップ / セルフヘルプグループ |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、依存問題とそこからの回復を、社会環境を含めた視座からとらえなおすことにあった。その際、①資本主義社会における依存問題、②回復支援の共同体(薬物依存の回復支援施設ダルク、依存症からの回復のための世界規模の共同体である12ステップ・グループ)、③支援者の語りの考察という3つの課題を設定し、これらを総括することで社会学の観点から総合的に依存問題を明らかにした。理論的には、人類学者のグレゴリー・ベイトソンの分裂生成理論等に依拠した考察を行うことで、依存症とそこからの回復を考察するだけでなく、依存症の考察を経ることで、現代社会を生きる個々人の生きづらさと現代社会の傾向性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、個人病理として研究・臨床の対象とされてきた依存症を、社会学の視座からとらえなおした点にある。またその際、ベイトソンの理論に依拠しつつ、社会環境、回復の共同体、支援者の語りから依存症を総合的のとらえた点にある。 その結果、個人の問題とみなされがちであった依存症が、現代の社会環境のなかでは必然的に生じる行動であることを指摘した。そして、「もっともっと」と分裂生成的に展開する現状の社会の傾向性とそこを生きる個人の傾向性を導出し、回復コミュニティでの実践から、こうした現代社会の生きづらさからの解放の方途を示すとともに、弱さでつながり合う人類の共生のひとつの可能性を提示した。
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