研究課題/領域番号 |
17K04160
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
門林 道子 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (70424299)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | がん闘病記 / 比較社会学的研究 / 闘病 / 肯定的変化 / 相互作用 / 再構築 / 自己成長 / ナラティヴ / ポストオープン認識 / 死にゆく過程 / 闘病l記 / がん / 比較社会学 / 変遷 / 要因 / 闘病記 / 物語 / 語られた病い |
研究成果の概要 |
マスター・ナラティヴを提示した2005年以前のがん闘病記との比較により経時的変化や闘病記をめぐる個人と社会の相互作用を明らかにする目的で患者本人の闘病記100冊の質的調査に取り組んだ。自らの死が予見可能な時代のがん闘病記は経験を語ることで他者に「賢い患者」になってほしいとの使命感や再発・転移を重ねても前向きに生きていると発信し主体的に医療と関わる必要性を促すものが増加している。人生の集約の仕方に個性がみられ、まさに「死を創る」時代の闘病記ともいえよう。昨今のがん闘病記における「肯定的変化」や「レジリエンス」、また「闘病」の用いられ方が多義的であること、AYA世代の闘病記の特徴等を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今、教育場面、またケアに活用するために看護学分野での闘病記を対象にした研究は増加しつつあるが、社会学ではまだあまり見当たらない。闘病記の研究は、「診断された病いの状況を生きるのがどういうことか、個人的なものが社会的な文脈の中でどのように認識されるか」に繋がることからも社会学的意義がある。社会の枠組みの変容との対応や「闘病」の意味内容にまで質的な分析へと射程を広げた本研究は、臨床分野への応用も含めて社会学の採りうる方法論と実践のひとつの提示でもあり、「闘病記」を取り巻く日本の社会文化的側面を国際学会などで発表し伝えていくことの意義もあると考えている。
|