研究課題/領域番号 |
17K04308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
清水 由紀 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30377006)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 対人認知 / 文化 / 自発的推論 / 特性推論 / 状況推論 / 自動的過程 / 比較文化 |
研究成果の概要 |
本研究は,他者の行動から意図せず自動的に生じる自発的推論に関して,自発的特性推論と自発的状況の同時生起における文化差のメカニズムを探求することを目的とした。特に,分析的-包括的な注意スタイルが,文化と自発的推論の間を媒介しているかどうかについて検討した。2つの実験の結果,ヨーロッパ系アメリカ人は自発的特性推論の方が自発的状況推論よりも多く生起したが,アジア系アメリカ人と日本人では2つの推論は同程度生起することが示された。さらには,注意と自発的推論の関連を調べた結果,行動観察時の注意過程における文化差が,文化と自発的特性推論と自発的状況の同時生起を媒介していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
例えばお年寄りが階段を上るのを手伝っている人を見た時,その人は「親切な人だ」と思う。人にはこのように,他者の行動から意図せず自発的にその人の特性を推論する傾向がある。この過程は自動的に起こるため,制御するのが難しい。特定の人種や性別に対するステレオタイプも,このような自発的特性推論が関わると考えられ,本研究はそのプロセスの解明に寄与しうる。また,自発的特性推論に文化差があること,その文化差は他者を観察した時点でどこに注目するかということにより生み出されることを示した。このような成果は,現代のグローバル化社会において,多様な文化的背景を持つ他者を理解することの一助となると考えられる。
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