研究課題/領域番号 |
17K04375
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
外山 紀子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80328038)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 素朴理論 / 病気の理解 / 公正世界信念 / 内在的正義 / 共存モデル / 概念獲得 / 病気 / 素朴生物学 / 認知発達 / 素朴信念 / 科学的理解 / 生気論 / 科学的思考 / 概念発達 / 社会系心理学 / 知識獲得 |
研究成果の概要 |
従来の認知発達研究では,魔術的で論理的とはいえない理解が発達につれ,成熟した合理的理解に置き換えられるという発達観(置き換えモデル)にたっている。これに対して本研究では,魔術的で未熟な理解と科学的な理解が生涯共存し続けるとみる共存モデルにたち,病気に関する理解を検討した。6つの実験と2つの観察研究を行った結果,病気の原因およびその治療について,大人でも科学的理解と内在的正義あるいは公正世界信念といった民俗信念を共に保持していること,そして両者は単に共存しているというのではなく,年齢があがるにともない,より統合された理解を形づくるようになることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピアジェ以来,認知発達研究では,未熟な理解が合理的理解に置き換わるとする置き換えモデルが暗黙の前提とされてきた。これに対して本研究では,伝統的な発達観では病気に関する理解の発達を十分に説明できないことを実証的に明らかにした。本研究の結果は,伝統的な発達観に再考を迫るものといえる。さらに本研究では,発達各期の子ども(あるいは大人)が,病気の原因や発症メカニズム,そしてその治療についてどのような理解を有しているかを明らかにしたが,これらは健康管理や感染予防などの衛生教育を行うにあたり,基礎的な資料を提供するという点で実践的な意義をもつ。
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