研究課題/領域番号 |
17K04393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 九州ルーテル学院大学 |
研究代表者 |
和田 由美子 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 教授 (70302362)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 泣き / 発達 / 幼児 / 感情 / 涙 / 感情表出 / 感情理解 / 教育系心理学 |
研究成果の概要 |
母親へのweb調査の結果、「安心」による泣きを示す幼児では、泣きやすい傾向と泣きの抑制傾向の両方が見られたが、「成功・勝利」「感動」による泣きではいずれの傾向も見られなかった。「安心」による泣きは、泣きたくなる状況が生じ、その状況で泣かずに我慢する能力の発達に伴って生じるが、「成功・勝利」「感動」による泣きは異なる認知的要因によって媒介されている可能性が示唆される。ネガティブではない泣きを表出する幼児ではうれしい理由での泣きを理解している割合が高かったが、うれしい泣きを理解している幼児の半数以上は表出経験がなく、ネガティブではない泣きの表出経験は理解を促進するが必須ではないと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
泣きの研究の多くは乳児または成人を対象としており、幼児期の泣きの発達過程についての実証的研究は少ない。本研究はネガティブではない泣きが幼児でも見られること、安心による泣きが一般的な泣きやすさと泣きの抑制の両方と関連して生起すること、成功・勝利や感動による泣きには異なる認知的要因が関わっていることを実証的に示したものであり、幼児の感情発達についての重要な基礎データになると考えられる。ネガティブではない泣きは、感情制御能力や他者の感情の理解能力など、様々な認知・感情発達と関連して生じてくると想定され、その発達過程の解明は幼児の感情発達を理解するための新たな切り口になることが期待される。
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