研究課題/領域番号 |
17K04502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田谷 修一郎 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師 (80401933)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 奥行き知覚 / 感覚情報統合 / 知覚学習 / 奥行き手がかり / 両眼立体視 / 立体感 / 錯視 / アナモルフォーズ / 臨場感 / 実験心理学 / 空間知覚 / 手がかり統合 / 単眼性(絵画的)手がかり / 両眼性手がかり / 視知覚 / 絵画的手がかり / 事前知識 / 恒常性 / 個人差 / 両眼視差(両眼網膜像差) / 立体視 / 実験系心理学 / 視覚 / ベイズ |
研究成果の概要 |
本研究の目的は外界の3次元構造に関する事前知識が視覚に及ぼす影響について検討することであった。この目的に沿って大きく3つの研究を行った。研究1では観測で得られた視覚情報と事前知識との間の矛盾が視知覚に及ぼす影響を検討した。この結果,事前知識と矛盾する視覚情報は,(1)外界推定のための事前知識を更新すること,および(2)外界の3次元構造推定や経験される立体感を左右することが示された。研究2では事前知識の個人差が3次元構造推定の個人差を生むことが示された。研究3ではある種の錯視(目の錯覚)が事前情報に依存した3次元構造の推定過程に由来することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
視覚は宿命的に曖昧で多義的な網膜像をもとにそれを生み出した外界の構造を一意に推定する一種の推論過程とみなせる。この推論において視覚系は過去の経験に基づいた外界構造の確率モデル(事前知識)を利用していることが長らく指摘されている。本研究の主な成果は臨界期を過ぎた成人もこの事前知識を経験によって更新すること,およびこのために経験に依存した外界推定(視覚)の個人差が生じることを示したものである。この成果は,映画やVR装置に利用される両眼視差に基づいた3D表現の改善や,両眼視差を用いない3D表現(e.g. 『新宿東口の猫』)の開発に役立つ可能性があると考える。
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