研究課題/領域番号 |
17K04540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
山口 匡 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20293730)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 実例 / 道徳的判断力 / 道徳教育 / 判断力 / カント |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、実践的な判断のコード化不可能性について教育学的な再検討を行い、道徳教育における「実例」の重要性と制約について解明することにある。 その成果は、以下の3点にまとめられる。(1)実践的(道徳的)判断が成立するには、経験、成熟、習慣化という実質的条件が必要であるが、それらは、道徳的実例を通して獲得される。(2)実例の概念史の検討を通して、実例の理念に対する依存性という逆説的な関係が生み出された経緯を明らかにし、実践的判断のコード化不可能性の理由を考察した。(3)道徳における実例の意義と制約にもとづいて、道徳教育における道徳的判断力と実例について理論的な枠組みを提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は国内外のカント教育思想研究の動向をふまえており、さらに判断力の実質的条件の解明を目指すという点で独自性を有している。また、教育哲学上のテーマとしてほとんど論じられてこなかった実例の概念について、教育実践上の個別的具体的な教材としてではなく、教材を教材として成り立たせる実例概念として理論的に研究するという点においても教育学的な意義がある。実際の学校教育に対しても、道徳科に見られる判断力観、実例観を批判的に検討し、これからの教材開発の要件や制約について問題提起を行った。
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