研究課題/領域番号 |
17K04616
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
棚野 勝文 岐阜大学, 教育学研究科, 教授 (30774559)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 校長会 / 教育政策過程 / 教育政策 / 中等教育学校 |
研究実績の概要 |
本研究は、大阪府立北野高校に残る明治29年度から昭和15年度『大阪府中学校長会記録』等の分析を通して明治期から昭和初期における校長会の実態を明らかにし、戦前の校長会が教育政策過程に対してどのような役割と機能を果たしていたのかを実践史研究の視点から考察することを目的としている。 当該年度までに、研究課題①:戦前の教育政策過程に関する研究史研究、研究課題②:中央・地方に残る校長会に関する資料研究として、1898年に東京で開催された第一回全国尋常中学校長会の開催の背景と、同会議が担った中央教育政策過程における役割・機能について時代背景並びに機能・役割の分析を通して、明治期の中央教育行政における諮問機関の成立過程、その役割・機能を考察し、論文として発表した。また、課題研究③:『大阪府中学校長会記録』の読み取りと分析・考察を目的に、大阪府立北野高校に残る明治29年度から昭和15年度の『大阪府中学校長会記録』資料のデジタル化並びに、校長会全議題と協議内容のデータベース化とそのの分析を通して、明治期から昭和初期にいたる大阪府立中学校校長会の持つ機能と実態に関して、校長会の開催時期、政策過程における機能などに関する考察結果を日本教育行政学会において発表した。 当該年度においては、『岐阜大学教育学部研究紀要』へ研究結果を投稿し、校長会の役割と機能に関して、校長の自主的会議体であったこと、校長間の情報交換機能、行政からの指示・伝達機能だけでなく、校長会から行政機関に対する下意上達機能があったことを明らかにした。また、②中央、地方に残る戦前の校長会記録調査をおこない、校長会記録が残る可能性のある学校を調査し、困難ではあったが、資料残存の情報を入手した。 本年度は、今までに入手した校長会に関する資料を公開を目的に整理するとともに、校長会機能に対する研究を深める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度からのコロナ禍の影響を受け、予定していた校長会に関する中央・地方に残ると考えられる追加の文献調査に遅れが出たため、期間延長となった。 当該年度までに、国レベルの教育政策過程における校長会の役割と機能に関して、全国中学校長会議に関する文部省記録、新聞記事、雑誌記事などの資料収集並びに分析考察の発表、明治29年度から昭和15年度までの記録が残る『大阪府中学校長会記録』の調査とデジタル資料化並びに、全議題のデータベース化も終了し明治期から昭和初期における校長会の機能と役割を分析・考察した。明治期から昭和初期の大阪府校長会に関する校長会の開始時期、校長会の参加校概要、校長会の機能に関して、校長会と教育行政機関との関係性、校長会の持つ内部機能として、府庁からの指示・連絡事項など行政からの意志伝達機能と、各校長から提出された議案、報告などに対し、当番校長が中心となり、協議、決議、報告、情報交換などの機能を持つことなど『大阪府中学校長会記録』から可能な考察を中心に実施し、学会発表並びに論文として発表した。 一方で、中央・地方に残る可能性のある中学校長会に関する文献調査、整理を十分に実施することができず、進捗状況の遅れにつながっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、明治期から昭和初期まで終了した『大阪府中学校長会記録』の資料公開に向けを資料として保存するために、収集時に写真データとして保存した資料を、資料として写真加工、整理し、保存並びに、資料化を進め北野高校その他図書館・史料館等へ北野高校とも相談の上、可能な範囲で配布する予定である。 加えて追加の資料収集に関しては、コロナ禍の状況を見ながら可能な範囲で継続し、総合考察に加えていきたいと考えている。
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