嗅覚刺激に基づく感覚間相互作用を活かした美術鑑賞教育法の実践的研究

• 研究課題/領域番号: 17K04818
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 教科教育学
• 研究機関: 大谷大学 (2018-2022); 至学館大学 (2017)
• 研究代表者: 池永 真義 大谷大学, 教育学部, 准教授 (50755965)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2023-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2022年度)
• 配分額: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円); 2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
• キーワード: 嗅覚刺激 / 感覚間相互作用 / 鑑賞教育 / 感覚の互換性 / 表現と鑑賞の一体化 / 美術鑑賞 / 嗅覚 / 鑑賞 / 教育法

研究成果の概要

本研究では、原始的で低位な感覚とされがちな嗅覚に注目し、嗅覚刺激が鑑賞における記憶や思考を促進するという仮説を立てた。そこで研究目的を、児童を対象とする嗅覚刺激に基づく感覚間相互作用をいかした美術鑑賞教育法の開発とした。
当初は、小学校の児童を対象とする教育法の実践と検証を計画したが、コロナ禍で頓挫した。代替措置として大学生を対象に実践を行ったが、部分的な検証にとどまった。
ただ、視覚優位の鑑賞教育において、視覚と他の感覚を複合的に働かせる教育法の開発が重要になること、嗅覚刺激の応用により、一定の効果や鑑賞と表現の一体的関係をふまえた鑑賞活動が重要になることを、一定の範囲で明らかに出来た。

研究成果の学術的意義や社会的意義

一般的には視覚（見る行為）を働かせる美術鑑賞教育において、嗅覚等他の感覚も活用することによって、視覚だけでは気づかなかった視点や見え方の変容が鑑賞活動にもたらされると考える。そのような鑑賞活動は、例えば美術館教育における児童や幼児を対象とするワークショップなどにおいても応用的に展開できる可能性があると考える。すでに現在、VRなど仮想的に感覚を作り出す装置も開発されており、このような実験的試みを教育分野において実践する意義は大きいと考える。