研究課題/領域番号 |
17K05051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内田 和人 東京大学, 物性研究所, 技術専門員 (20422438)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 薄膜 / 歪み / 遷移金属ダイカルコゲナイド / 励起子ホール効果 / 励起子 / スピンホール効果 |
研究成果の概要 |
液体媒質中で架橋化した薄膜を振動させ、薄膜の上下面に生じる圧力差で生じる抗力により薄膜面内の歪みを制御するという、本研究の技術的核心である歪み制御法を開発した。さらに、箔歪みゲージをフッ素系不活性液体中に沈めた振動実験で、1 Hzから50 Hzまでの周波数領域にわたり、入力信号に極めてよく追随する出力信号が検出され、実証実験に成功した。また、液体中で振動する薄膜からの顕微発光イメージング装置の開発と、架橋化された単層および複数層 MoS2/h-BN/PMMA 薄膜試料の作製を行い、歪みの時間変調と円偏光特性の時間変調の両位相検出による発光スペクトルの高感度測定を可能にするシステムを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した架橋化薄膜の歪み制御技術は、全く新しい発想に基づいており、特長として、第一に、薄膜に加える歪みの強さ、周波数(歪みの時間変化)が容易に制御可能な点、第二に、基板開孔部の形状により、一軸性や非一様性など、歪みの空間対称性を自在に制御できる点、そして第三に、歪みが周期的に変動することから位相検波的手法による高感度測定が可能な点が挙げられる。歪みによる励起子あるいは電子状態の制御は「バレートロニクス」実現へ向けた一つの重要なアプローチであり、薄膜あるいは原子層物質における物性研究の新たな手法を提案できると考えている。
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