研究課題/領域番号 |
17K05064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
影島 賢巳 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (90251355)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 非線形性 / 原子間力顕微鏡 / 生体適合性高分子 / 粘弾性 / シア / 臨界状態 / 相分離 / 非線形応答 / 臨界2成分系 / 臨界カシミール効果 / 相関長 / 非ニュートン流体 / 緩和時間 / ニュートン流体 / 流体 / 走査プローブ顕微鏡 / 摩擦 |
研究成果の概要 |
ナノ空間に拘束された流体の非線形性を、粘弾性計測に最適化した自作原子間力顕微鏡(AFM)を用いて微視的視点から計測した。特徴的な潤滑特性で知られる水和状態の生体適合性高分子MPCを親水性の表面の間に拘束し、ナノメーターからサブナノメーターの範囲でシア振幅を掃引して粘弾性の振幅依存性を計測した。振幅によって劇的に変化する特徴的な粘性挙動を観測し、高分子鎖と水分子がそれぞれ滑り運動においてどのような役割を演じているかの観点から考察した。この研究に加えて、AFMを用いた粘弾性計測手法を応用して、臨界状態の2成分液体中の表面間に作用する特異的な複素力学応答の面間距離依存性を計測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工関節などの潤滑剤としての応用が期待される生体適合性高分子の水和状態でのシア特性を計測し、水と高分子が複雑に表面と作用して、非線形性に結びつく特徴的な摩擦・潤滑特性を生じることを実験的に示した。これによって、非線形性の起源について分子レベルの洞察を与えることができるとともに、応用上重要な狭い空間内の流体の摩擦・潤滑特性が、バルク流体のそれとは異なる特徴的なものであることを示した。また、臨界2成分系中での複素力学応答計測では、臨界カシミール効果や粘性異常等の興味深い現象について、前例の少ないナノメーターレベルの実験データを提供し、相転移・臨界現象の物理の最先端に貢献する可能性を示した。
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