研究課題
基盤研究(C)
分子磁性体は、物質設計の自由度が高く、様々な興味深い物性を示す。また、比較的低い圧力で相互作用や次元性を制御できるため、系統的にその性質を調べることができる。物質の磁性を調べる強力な手法の一つが、中性子非弾性散乱である。しかし、分子性の物質は、水素を多く含むなどの特徴により、中性子散乱実験が困難で、その報告例は非常に少ない。本研究では、中性子散乱装置における圧力実験環境を構築し、圧力セル中の分子磁性体からの弱い信号を効果的に取り出すためのコリメーターを開発した。また、圧力印加による結晶構造の違いを反映した格子振動の変化を観測し、分子性物質の磁性研究への中性子散乱実験適用の可能性を示した。
分子磁性体は、新しいデバイスとしての応用を見据えた基礎的な磁性研究が盛んに行われている物質群である。物質の磁性研究において最も強力な実験手法の一つが中性子非弾性散乱であるが、分子性の物質特有のいくつかの困難により、中性子散乱実験がほとんど行われていなかった。本研究では、中性子非弾性散乱実験を行うためのチョッパー分光器における分子性物質の圧力下測定のデータを改善することに成功した。これにより、分子磁性体の中性子散乱による研究が推進されるようになれば、磁気的性質の解明が進み、ひいては将来の新規デバイス開発に繋がることも期待される。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 5件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件)
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