研究課題/領域番号 |
17K05184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
小山 信也 東洋大学, 理工学部, 教授 (50225596)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ゼータ関数 / セルバーグ・ゼータ関数 / リーマン予想 / 深リーマン予想 / オイラー積 / 素測地線定理 / 素数定理 / 数論的量子カオス |
研究成果の概要 |
以下,セルバーグ・ゼータ関数に対し,極は位数が負の零点とみなし,零点と極を総称して「零点」と呼ぶ.本研究期間全体を通じて得た研究成果は,以下の通りである.(1)フックス群にユニタリ表現を付したセルバーグ・ゼータ関数のオイラー積を,例外固有値に対して明示的に書ける項で割った値は,実部が1/2より大きい領域で収束する.特にセルバーグ1/4固有値予想の仮定の下でユニタリ表現が非自明なときは,実部が1/2より大きい半平面で収束する.(2)前項のオイラー積が収束した値は,セルバーグ・ゼータ関数の解析接続による値と本質的に(明示的に書ける例外固有値の寄与と,符号を除いて)一致する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リーマン予想が未解決である理由の一つに,予想の定式化が不十分であるという説が長らく唱えられてきた.深リーマン予想はこれを解消するために2010年代に提唱された予想であり,リーマン予想が成り立つ背景にオイラー積の挙動があると主張している.オイラー積の挙動,特に非自明な表現に対するL関数のオイラー積の臨界領域における収束性が示されれば,リーマン予想を証明でき,さらにその成立理由も解明できる.これまで,標数正の関数体上で深リーマン予想の成立が確かめられてきた.本研究では,フックス群のセルバーグ・ゼータ関数に対し,深リーマン予想に相当する命題を証明した.これは,標数0の場合に初めて得られた結果である.
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