研究課題/領域番号 |
17K05218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 筑波大学 (2020-2023) 埼玉大学 (2017-2019) |
研究代表者 |
小野 肇 筑波大学, 数理物質系, 教授 (70467033)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 共形ケーラーアインシュタイン・マックスウェル計量 / Bott 多様体 / 共形ケーラーアインシュタイン・マックスウエル計量 / 幾何学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、Apostolov-Maschler により定義された共形ケーラーアインシュタイン・マックスウエル計量(以下cKEM 計量と呼ぶ)の存在問題を、従来のケーラー幾何的な手法に加え、佐々木幾何の研究により培った視点に基づき進展させることである。
ケーラー幾何(佐々木幾何)において最も重要な問題の1つにYau-Tian-Donaldson 予想(標準ケーラー計量の存在と代数幾何的な条件(K-poly 安定性)との同値性)が挙げられる。cKEM 計量も標準ケーラー計量の1つと考えられ、本研究を申請した当時はcKEM 版のYau-Tian-Donaldson 予想はほぼ未解決の問題であった。その後、Apostolov やLahdili らを中心としたグループにより、cKEM 計量をより一般化した対象に対してこの予想の解決は大きく進展した。しかしながら、K-poly 安定性の判定は予想とは全く別の問題であり、いまだにcKEM 計量版K-poly 安定および不安定な例についてはほとんどわかっていない。令和2年度にトーリック曲面に対して、cKEM 版(より一般の)K-poly 安定性の使いやすい判定条件を清華大学の二木昭人氏とともに与えたが、本年度はそれを用いてcKEM 版K-poly 安定なトーリック曲面やcKEM 版K-poly 不安定な例をできるだけ多く見つけることを目指し研究を行った。また、それと並行して、福岡大学の佐野友二氏、香川大学の四ツ谷直人氏と共同で、全てのケーラー類で二木不変量が消えるBott 多様体は射影直線の直積に限ることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、最終年度である本年度は、cKEM 計量版のYau-Tian-Donaldson 予想を解決し、このプロジェクトで得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う予定であった。Apostolov やLahdili らのグループにより大きな進展はあったものの、その予想を解決するには至らなかった。令和2年度に我々が得たcKEM 計量版K-poly 安定性の判定条件を駆使して多くのK-poly 安定な例、不安定な例を得ることを目指したが、計算がうまくいかなかった。一方、標準ケーラー計量の存在がBott 多様体の中から射影直線の直積を特定する現象を解明した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、令和5年度に解決できなかった課題(トーリック多様体においてcKEM 計量版のK-安定性の使いやすい判定条件を用いて多くのcKEM 計量の例を得ること)に引き続き取り組む予定である。また、高次の曲率不変量を含む変形重力理論である「Lovelock 理論」や「Horndeski 理論」を(共形)ケーラー幾何において研究することも考えている。
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