研究実績の概要 |
結び目の Kauffman 多項式に相当する “knotoid”の Kauffman 多項式の構成と計算例を記した論文「A polynomial invariant of Kauffman type for knotoids」が専門雑誌Journal of Knot Theory and Its Ramifications (Vol. 32, No. 9 (2023) 2350050 (46 pages), DOI:10.1142/S0218216523500505)に掲載された。 この論文は同時に同専門雑誌に掲載された科学研究費基盤研究(C)課題番号22K03315の支援を受けた論文「A polynomial invariant of Kauffman type for knotoids II」(Journal of Knot Theory and Its Ramifications,Vol. 32, No. 9 (2023) 2350051 (44 pages), DOI:10.1142/S0218216523500517)と対をなす論文として位置づけられる。 どちらの多項式不変量も研究代表者の論文「A multi-variable polynomial invariant for unoriented virtual knots and links」(Journal of Knot Theory and Its Ramifications 18 (2009))の手法を“knotoid”に応用することで得られている点で極めて類似した性質を有するものであるが,不変量としては異なるトポロジーを示す点が大きな特徴である。 2019年に発表された論文「An enhanced bracket polynomial for knotoids」 (Journal of Knot Theory and Its Ramifications, Vol. 28, No. 10, 1950061 (19 pages)),2021年に発表された論文「A polynomial invariant for knotoids」(Osaka Journal of Mathematics,58巻2号(239--272ページ))と合わせて,結び目理論における有名な3つの多項式不変量であるJones多項式,HOMFLY多項式,Kauffman多項式に対応する“knotoid”を対象にする多項式不変量を開発することが出来た。このことは,本研究課題の主たる目標を達成できたことを表している。
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