配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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研究実績の概要 |
当研究課題「作用素関数の総合的研究」の当初目的はほとんど達成されていたが、この延長期間で作用素関数の重要な応用の一つである作用素の平均について研究した。可逆な正定値作用素 A, B が可換でない時、その幾何平均 A#B は2次方程式 B=XA’X の解として定義される。但し、A’ はA の逆作用素である。3個以上の実数の幾何平均は自然に定義されるが、非可換な作用素については未知であった。Ando, Li, Mathias によって有限次元における作用素、即ち行列については次のように解決された。例えば A, B, C を正定値行列としたとき、A(1)=B#C, B(1)=C#A, C(1)=A#B と定め、同じ方法を繰り返して、A(n), B(n), C(n) を構成すれば、空間のコンパクト性によって、これらの列が同じ行列に収束する。それを A, B, C の幾何平均と呼ぶ。しかし無限次元空間における作用素については未知であった。 私は、A, B, C が無限次元空間の正定値作用素である時、A(n), B(n), C(n) が同じ作用素に弱収束することを、作用素関数についてのJensen の不等式を使って証明した。この結果を含む論文 ‘Symmetric Operator Means’ はHungary の専門雑誌 Acta Science Math (Szeged) の特集 ‘Mean’ に受理された。 この他に、Springer社の ‘Mathematics online first collection’ シリーズ から ‘Matrix and Operator Equations and Applications’ (Editor: M. S. Moslehian, 2023) が出版された。その一つの章が私の著作 ‘Geometric Mean and Matrix Quadratic Equations’ (211-240)である。
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