研究課題/領域番号 |
17K05320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学解析
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
前川 泰則 京都大学, 理学研究科, 教授 (70507954)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 偏微分方程式 / 流体力学 / Navier-Stokes方程式 / 特異極限問題 / Prandtl境界層展開 / 2次元外部領域Oseen流 / 境界層 / 解の漸近挙動 / Oseenの流れ / Prandtl境界層 / 解の漸近展開 / Prandtl境界層解析 / 非圧縮性粘性流体 / 高Reynolds数流体の安定性 / 特異極限 |
研究成果の概要 |
流体力学の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式に関連したいくつかの特異極限問題について数学的な研究を行った.特に,レイノルズ数が大きい流れにおいて固定壁近傍で生じる境界層の構造や安定性について数学解析を行った.主な研究成果として,平板近傍の流れにおいて,Prandtl境界層展開と呼ばれる流れの分解を数学的に正当化することに成功した.また,高速回転する円柱周りにおける2次元流れにおいて円柱近傍で生じる境界層の構造を特定するとともに,空間遠方での流れの減衰構造を明らかにした.さらに,2次元外部領域における小さなOseen定常流の漸近安定性を数学的に証明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レイノルズ数と呼ばれる無次元量が大きな流れは,身近な流体運動においても頻繁に表れ,その特質を数学的に理解することは重要な課題である.これらの問題は,数学的にはNavier-Stokes方程式の特異極限問題として定式化されるが,Navier-Stokes方程式の非線形性と非局所性により,その厳密な解析には大きな困難を伴うことが知られている.本研究成果は,それらの困難を克服する解析手法の確立に大きな貢献を果たすものである.また,動く物体周りの流れとして最も基本的な2次元Oseen定常流の安定性を数学的に示した.この問題は半世紀近く未解決の問題であり,大きな学術的意義を持つ.
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